江戸の頃、椿の根元からこんこんと湧く湯がありました
津軽藩の地検帳に記された「つばきの湯」が
この宿の始まりです
伝承で四○○余年、湧き続ける熱き湯は
明治天皇が入浴する栄に浴し
世界的な板画家、棟方志功にも愛されました
十九代目の今も咲き誇る椿の庭を眺め
古き良き時代の流れを感じながら
ゆったりと贅沢な時をお過ごしください。
四百余年の歴史を刻む温泉宿
そこは世界の版画家
棟方志功ゆかりの宿
ギャラリー
棟方志功
リニューアルオープン
「ワだば ゴッホになる」
その熱き思いで大正十三年、青森から上京した棟方志功は
民藝活動を先導する柳宗悦らに才を見出され
世界に知られる板画家となりました
創作活動に明け暮れる中、浅虫の画家と縁を得ると
夏になれば家族と共に椿館に逗留し
湯に浸かっては、溢れる絵心のまま筆を走らせました
堂々たる書と六体の菩薩
悠々泳ぐ七匹の鯉
そして、椿館の椿
柔らかくも勢い溢れる筆致と
その呼吸さえ感じられる倭画(やまとが)は、椿館だけに残るもの
心に響く作家の魂と普遍的な美を、ぜひ直近にご覧ください
【お抹茶サービス】
棟方志功作品の数々を
女将が点てる抹茶のおもてなしと共に
ゆっくりご堪能ください
椿の湯
源泉掛け流し温泉
9本の自家源泉から湧き出すお湯を引き入れる大浴場では、とうとうと湯船から溢れるお湯で、心も体もじんわりほぐれます。単純温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)で、肌の弱い方でもお楽しみいただけます。
熱の湯は香りなどの癖はなく、湯冷めしにくいので心地よさが長く続きます。広いサウナ、庭木に囲まれた風情ある露天風呂もゆっくりとお楽しみください。
日本各地に温泉多しといえども、「飲泉」できる湯宿は多くありません。当館は青森県内の温泉地で初めて飲泉の許可を得ております。消化器官から温泉成分を吸収することで内臓系疾患の改善などに効果が期待される「飲泉」を、ぜひお試しください。
お食事
郷土の味の万華鏡
新装した「ダイニング椿の箱」では、浅虫の眼前に広がる陸奥湾をはじめ、青森県を囲む三方の海、里や山の豊かな季節の素材を丁寧に仕込み、味わい深い料理を詰め込んだメインのお膳「椿の箱」を、ご提供します。お食事の最後には黒毛和牛の焼きしゃぶを青森県産米「はれわたり」とともに味わっていただきます。
お食事のお供には、青森の豊かな米と水が育んだ地酒、選りすぐりのワインをどうぞ。印象的なひと時を、味わってください。
朝食には、青森県産米を一人用の釜で炊いた炊き立てご飯を棟方志功が好んだシャケや、青森のソウルフードのすじこ、十三湖のしじみの味噌汁などと合わせてお召し上がりいただきます。
客室
趣深い和洋室の
「乙女椿」「寿椿」など椿の名で呼ばれる各部屋は、障子の向こうに四季折々の庭の景色を眺められる和室、和洋室がございます。ゆったりサイズのシモンズベッドを置く「鳳椿」や、躙り口から入る茶室を供えた貴賓室のような「老松椿」の部屋まで、多様なお部屋を揃えております。
部屋ごとに、異なる棟方志功の板画の小品が掛けられております。作品と間近に対峙しながら、静謐にして趣深い一期一会のひと時を、ご体感ください。